7月 222015
 

今日は国際ジン・ライブラリーの日。地元のジン・ライブラリーを訪ねましょう、という日。

朝方、twitterで書きましたが、ジン・ライブラリーっちゅうもんは家の近所にはないので、そのかわり、地元の図書館の地域/郷土の棚をのぞくことにしています。毎度、熱にうかされた地域の研究家の冊子を掘り出してはパワーをもらったり吸いとられたりしてたいへんなことになってるんですが、今年のベストはもうこれだろう!とおすすめしたいのがこちらです。

歩いた・見た・調べた 横浜市立歴史博物館 民俗に親しむ会
鶴見川流域フィールドワーク調査報告 に掲載の

加藤節男さんによる
●鶴見川流域の「おしゃもじ様」巡りあるき
●石に記憶を託した人々と石が託された記憶 〜鶴見川流域の「近・現代の戦争の記憶」〜
の2本。

横浜市内の神社の片隅の社に釘付けされた薄汚れた14枚のしゃもじを偶然みつけたとき、自分の家の米櫃に自分の名前が書かれたしゃもじが入っていたことを思い出したことからはじまる石神(しゃくじ)信仰、探求の旅。スリリングです。東京にも石神井という地名があるけど、石神信仰と関係あるのかな?

で、さらにすごいのが、2本目の石に記憶を託した人々と石が託された記憶 〜鶴見川流域の「近・現代の戦争の記憶」です。

少し、内容を紹介します。

人影のない神社に据えられた「立派な忠魂碑、慰霊碑などの碑の多さ」や、墓地の「戦争で亡くなった兵士のお墓のひときわ目立つ造りの立派さ」に気づいた筆者は、鶴見川流域(日本有数の軍需工業地帯だった鶴見川下流、戦場へ兵士を送り出した農村地帯の鶴見川上流)に散見される石から、戦争の記憶をたどってみようと思い立つ。

川崎の大戸神社の狛犬は、日露戦捷紀念に奉納されたもので、砲弾をかかえている。
ここまでわかりやすいのはみたことないけど、神社にいくと日露戦役の碑、ほんとによくみます。埼玉では川口神社にも立派なのあった記憶が。

先端がとがり全体的に細長いお墓は、日中戦争時に建てられていることに関する調査や、鶴見区のお寺の空襲の炎で赤く焼けた墓石群、JR鶴見線国道駅のコンクリートの壁に残る米軍の機銃掃射による弾痕を紹介するなど、ほんとに詳細だ。どれもこれも石が記憶している過去といえよう。

東京・町田市の神社では狛犬の台座に刻まれた文字が削り取られていることに気づく。そして、ここからの技がすごい。横からLEDを当てると削った文字を解読できるという。「戦勝祈念 大東亜戦争大詔奉 載第一週年記念日」「願主 東京市世田谷区経堂 氏名は略」「昭和十七年十二月八日」敗戦後に消したんだろう。

その他にも鶴見区の神社にあるという愛国婦人会の遥拝所。これまた石でできており、遥拝する方角が示されている。3本の直線が石の上面に刻まれており、それぞれ、皇居、橿原神宮、伊勢神宮を指しているのだ。こんなのみたことないなー。

そしてこれも、横浜にとんと縁のない私は初耳なのだが、「こどもの国」という横浜の山の中にある遊具があったり、小さい動物園があったりという巨大な公園のようなところなんですが、ここにも「平和を祈る」碑が建っているんだそう。そして、その碑の裏にはこんな言葉が刻まれているのだ。

『戦争のない世界を願って』
「こどもの国」は第二次大戦中「東京陸軍兵器補給廠 田奈部隊」と呼ばれ、園内の森には高射砲や手りゅう弾などの砲弾を作る工場とたくさんの弾薬庫がありました。
 戦争がはげしくなった一九四四年から一九四五年、神奈川女学校の学生であった私たちは、国の命令で勉強をやめ、この工場で砲弾を作る作業につきました。その砲弾が地球上のだれかを傷つけたのではないかと思うととても恐ろしい気持ちです。戦争を再び起こしてはなりません。この思いをこめて、女学生休憩所跡の丘に、平和を祈る碑を建てました。
 平和な世界のなかで、こどもたちがのびのびと育ちますように。

一九九六年 三月二八日
神奈川高等女学校(現 神奈川学園)
本科29回、30回卒 動員学徒有志一同

身近にこんなに重層的に歴史を感じることができるものがころがっているなんて。もっとよくみて歩いてみてみないとなと、多大に影響受けてます。

http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/study/publications/houkoku/201501_tsurumigawa_fw/
横浜市内の図書館にはあちこち置いてあるようなので、横浜にいかれることがあったらぜひみてみてください。

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